ブダペスト経済工科大学(3/4〜3/8)
 大学に近いProfessor Guest Houseに滞在。到着日にMadarász助教授に第一子誕生で、実際にMadarasz助教授に対面できたのは翌日であった。大学はドナウ川(マジャール語で「ダニュー」)河畔のブダ側にあり、研究室からドナウ川を一望できる。
 3/5には村上助教授とともにNovak助教授のアレンジにより、30分ずつ最近の話題について講演会を行った。参加者は約20名程度で、教職員がほとんどであった。Pokol教授をはじめ、参加者には興味を持っていただいた。

 午後からは、持参したサンプルをもとに、実験の打ち合わせをMadarász助教授とともに行った。講演会の際に、持参したサンプルを使った実験の概要も合わせて説明していたため、実験の内容を一から説明する手間が省けた。実験は、TG-DTAおよびマススペクトルにより、TiO2微粒子の高温(〜500℃)での状態を分析して、薄膜形成機構の考察の材料とすることにした。
 アナターゼに比べ、アモルファスは熱の変化(温度軸の勾配)の変化が激しく、明らかな違いが観測された。Madarász助教授の指摘では、粒成長によるものではないかということで、当初の予想を支持するものであった。さらに、酸素、窒素等ガスを変えて有機成分の燃焼状態を見るために、時間の都合でサンプルを預けて残りの実験の依頼を行った。
Spring Meeting of Thermoanalytical Branch of the Hungarian Chemical Societyで講演(2003.3.5 Budapest, Hungary).

マジャールスズキ(3/7)
 瀬崎氏の運転により、ブダペスト市内から約2時間、チェコとの国境に近いEsztergomの現地工場へ案内され、製造ラインの見学を行った。日本の工場と同様のシステムで、日勤と夜勤によりフル稼働している。ヨーロッパは地続きのため、ヨーロッパ一円で発注後数日での納品可能という。
 現地工場立ち上げ後の5〜6年で、東ヨーロッパの自動車シェアは大きく様変わりし、スズキも順調に業績を伸ばしているとのこと。他社に比べ、代理店を増やし、郊外にまでユーザーの掘り起こしを行っている。
マジャールスズキ瀬崎氏と現地工場前にて
旧東独が誇るトラバントもまだ現役!

パリ南大学(3/10)
 正式名称はパリ第11大学。パリの中心からRERのB線で南へ約30分、公式にはOrsay Ville駅が最寄りとなっているが、研究室へは1つ手前のLe Guichet駅が近い。ここに留学してきた時も、この駅の近くに下宿していた。駅は一部改修されていたが、ほとんど当時のままであった。
 駅からは徒歩でA.Revcolevschi教授研究室を訪問。持参したPCを使用して、最近の研究内容を約20分間講義後、30分程度の質疑応答を行った。Revcolevschi教授は大変興味を示していたが、当面のところ当該の研究をする予定はないとのこと。また、日仏の研究室運営に関して、大学の体制、資金および学生といった観点から、意見を交換した。
 留学時代に机を並べていたDrago氏が、学位取得後5年間東大講師を務めた後、本年度より当研究室助教授として赴任してフラーレンの研究を行っている。現在、新たなテーマを模索中とのことで、我々の研究について、A.Revcolevschi教授、村上助教授とともに、昼食を食べながら話をした。
Alexandre Revcolevschi教授研究室(Laboratoire de Physico-Chimie de l'Etat Solide, Universite Paris XI)を訪問(2003.3.10 Paris, France).